法人のPCを処分・廃棄する方法

法人事業系PC廃棄の選択肢

上記の「産業廃棄物」、「メーカー引き取り」、「PCリサイクル業者引き取り」のそれぞれについて、基本的ポイントを押さえます。
 

産業廃棄物

産業廃棄物として処分する選択肢では、産業廃棄物処理業者に依頼することになります。PC1台あたり1,000~4,000円ほどで処分してくれます。一部の産業廃棄物処理業者を除いて、データ消去作業はおこなってくれません。
依頼するにあたっては、事前に連絡をとり、見積を作ってもらう必要があります。また、産業廃棄物処理業者に依頼する場合は、以下の点について注意が必要です。
・業者の選定
・産業廃棄委託契約書の内容と取りあつかい
・産業廃棄物管理表(マニフェスト)の作成・発行
 
業者の選定について
産業廃棄物処理業者の中には、PCを格安で引き取る代わりに処理費用を浮かせるために不法投棄をしてしまう悪質な業者もいます。このような業者と付き合ってしまうと、廃棄されたPCから情報漏れなど、廃棄した企業にダメージがふりかかることもありえます。悪質な業者と知ったうえで委託したことが露見すると、法人としてペナルティーを課されることもありますので注意してください。
委託契約する前に、都道府県知事の許可と、産業廃棄物(PC)の取りあつかい許可を受けており、処理基準を満たしている業者であることを確認しておく必要があります。
 
産業廃棄委託契約書について
委託契約の際に、「産業廃棄委託契約書」が取り交わされます。この契約書は、契約の終了日から5年間保存することが義務づけられています。大切に保管しましょう。
内容にも注意してください。廃棄物の種類、量、処理の内容などを産業廃棄委託契約書に明記したうえで契約する必要があります。必要な項目や書類が行き届いていないと違法で効力がありません。しっかり確認しましょう。
 
産業廃棄物管理表(マニフェスト)の作成・発行
産業廃棄物管理表(マニフェスト)も正しく作成・発行される必要があります。マニフェストは、不適切な産業廃棄物処理による環境汚染をふせぐために義務づけられたもので、廃棄物を捨てる法人自身が収集運搬業者や処分業者に交付し、管理する必要があります。用紙は各都道府県の産業廃棄物協会が販売しており、公益財団法人・「日本産業廃棄物処理振興センター」のホームページでは電子ファイル化されたものが入手できます。
 
産業廃棄物処理業者に依頼する選択肢をとると、全体的にはかなりめんどうなことになります。しかし有害でもありうるものを「捨てる」のですから、やむをえないことです。
 

メーカー・システムベンダー引き取り

メーカーの法人担当、システムベンダー(PCの販売納入会社)にPCの廃棄を依頼するケースです。廃棄費用を負担し、申し込みをして事前に見積もりが必要になります。
 
メーカー
納入元のメーカーに引き取ってもらうケースです。引き取ってもらえるのは、そのメーカーの製品のみです。付随する周辺機器などもいっしょに処分したくても、そのメーカーの製品でなければ引き取ってもらえません。
引き取り・リサイクルをおこなっているメーカーの窓口は、資源有効利用促進法にもとづいて設立された一般社団法人・「パソコン3R推進協会」のホームページに記載されています。そこに掲載されていないメーカーの製品はパソコン3R推進協会が引き取り・リサイクルします。
メーカーは「広域認定産業廃棄物処理業者」としてPCを回収、リサイクル、処理します。
かかる費用はメーカーによって異なります。おおむね、1台につき3,000円程度のところが多いようです。データ消去は別途有料となります。
ふつうの産業廃棄物処理業者とはちがって、「産業廃棄物管理表(マニフェスト)」をメーカーに交付する必要はありません。税務に関係してくる「資産滅却報告書」がすべての作業が終了したあとで送られてきます。決算のときに必要になる書類ですので、大切に保管しましょう。